新築工事が進行している現場について、「大工の振る舞いが見苦しい」と近隣の住民からクレームの電話がかかってきた。工務店社長のSさんは大慌て。対応を考えている間に建て主からも問い合わせの電話が。ひとつ間違えば地域での信用が失墜してしまう大ピンチに追い込まれてしまった。
「職人の現場での振る舞いについては指導してきたつもりだったのだが…」。Sさんはこう言って頭を抱える。
近隣の住民からの電話によれば、職人が現場の前面道路に座り込んでタバコを吸っていたのだという。さっそくその日に現場に入っていた大工、職人に電話をかけて確認したところ、若手の板金職人が名乗り出た。
Sさんは、付き合いのある職人、業者に対しては「食事や休憩は車の中で。タバコも車の中ならいい」と伝えてきた。その若手もそれは承知していたのだが、「天気がよかったので、つい日向ぼっこしたくなって…」と車外に出て一服してしまったということだった。
クレームのあった住民とは、着工前の挨拶回りで面識があったこともあり、Sさんはさっそく現地に飛んでいって直接謝罪することに。
「近所の方から迷惑しているという話を聞いたのだが、どういうことか」と問い合わせのあった建て主に対しても、ことの経緯を説明。職人に厳重注意し、住民に謝罪したことを伝えた。
「私たちはこの後もあの家で暮らすんですよ!」
できる限りのことはしたつもりだったが、建て主は「現場管理には自信があるとおっしゃってましたよね?」と不信感がぬぐえない様子。「私も信頼してお任せしていたのに、ご近所に迷惑をかけるなんて…・・・
この記事は新建ハウジング1月20日号7面(2024年1月20日発行)に掲載しています。
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