元日の能登半島地震発生から2週間が経過し、岸田文雄首相は生活再建支援に注力する方針だ。検討中の「生活支援パッケージ」は月内の策定を目指す。インフラ復旧では近く「非常災害」に指定して国が代行する。一方、災害関連死防止のカギを握る2次避難は思うように進んでいない。
首相は15日、救命救助や物資の輸送、避難所の環境改善に「先手先手で取り組んできた」と強調。「2次避難のバックアップと併せ、仮設住宅の建設など今後の見通しを示すことも重要だ」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。
政府は発災直後、被害把握に手間取ったものの、翌2日に首相が本部長を務める非常災害対策本部の会合を開催。被災地の要請を待たず仮設トイレなどを「プッシュ型」で運んだ。激甚災害と特定非常災害にも指定。被災地支援の財源として9日に約47億円の予備費支出を決定したのに続き、月内に1000億円超の使用を決める方針だ。
首相は14日に初めて石川県を視察した。生活再建に関し、困窮者に最大20万円を貸し付ける「緊急小口資金」の受け付けを近く開始すると表明。支援パッケージに(1)インフラ復旧(2)仮設住宅の確保(3)中小企業、農林水産・観光業の再建―などを盛り込むと語った。
県によると、2次避難は15日午後2時の時点で約3万人分の避難先を確保したのに対し、実際に移ったのは約1100人にとどまっている。被災者からは「子どもの学校をどうすればいいか分からない」「生まれた場所にいたい」などの声が出ている。
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