東急建設(東京都渋谷区)は1月12日、建物の外構向けに、タネの採取地や生産地が明らかになっている緑化樹木「チイキツリー」を販売するECサイトを開設したと発表した。
昨今、生物多様性などの自然資本への配慮が求められるなか、新たな建物建築や開発を行う事業主やデベロッパーなどが生物多様性保全を目的に、外構や事業敷地内に在来種の緑化樹木を利用するケースが増加している。樹木は出生地に近い地域で植栽されることで、周辺地域の生物多様性により貢献するといわれるが、現在流通している緑化樹木のほとんどはタネの採取地・生産地などの履歴を確認できない現状にある。
ECサイトでは、「樹木の出自がわからない」という課題を解決するため、地域性種苗の生産に強みをもつ「箱根植木」(東京都杉並区)と連携。多摩川流域および関東圏での利用を想定し、タネの採取地や生産地が確かな種苗や樹木を「チイキツリー」として販売する。
同サービスは、2021年から開催している社内の新規事業アイデアコンテスト「MOON SHOT CONTEST(ムーンショットコンテスト)」の第1号案件として提供開始。今回は地域を限定するが、今後はエリアや取り扱い種類を拡大。将来的にはブロックチェーン技術等を利用し、より確かなトレーサビリティを確保した樹木の提供を目指すとしている。
同社は事業を通じ、生物多様性保全や地域の自然環境保持に貢献するとともに、環境と経済を両立させた持続可能な企業価値向上を実現していく。
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