2024年も需要減や価格上昇、人手不足などネガティブな影響が続くだろう。また、25年の建築基準法・建築物省エネ法の改正に向け、業界全体でさまざまな動きも活発化するはずだ。経営・技術上は何がハードルになるか、そのハードルをどう超えていくか、各分野の「賢人」に聞いた。
アドブレイン(東京都豊島区)代表・塚本浩史さん
2023年は、好調な工務店と倒産・廃業に至る工務店の、二極化がはっきりした1年だったという印象だ。中間層がどんどん減っていく中、注文住宅を建てられるだけの余裕がある層のニーズに応えられるだけの設計力、対応力を持っているかどうかで明暗が分かれているようだ。
マズローの要求5段階から今の生活者ニーズを考えてみると、注文住宅を選ぶ、余裕のある層のニーズは「自己実現欲求」だといえる。竣工写真の撮影などで、ピアノが置いてあったり、壁全面を本棚にした家に出合うことも増えたが、これは施主が住宅に自己実現を求めた結果だと見ている。注文住宅をやりたいなら、施主の自己実現欲求を叶えるだけの力が求められる。工務店の経営者・スタッフも教養を身につける必要があるだろう。
ブランディングでは、ひとりよがりにならないよう今の時代にアジャストする必要はあるにしても・・・
この記事は新建ハウジング1月10日号7面(2024年1月10日発行)に掲載しています。
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