2024年も需要減や価格上昇、人手不足などネガティブな影響が続くだろう。また、25年の建築基準法・建築物省エネ法の改正に向け、業界全体でさまざまな動きも活発化するはずだ。経営・技術上は何がハードルになるか、そのハードルをどう超えていくか、各分野の「賢人」に聞いた。
アイプラスアイ設計事務所(東京都新宿区)代表取締役・飯塚豊さん
2024年以降は「環境デザイン」が新たな差別化のテーマになる。住宅メーカーでも、地域の小さな工務店でも、断熱等級6(G2)や耐震等級3の住宅を当たり前に建てられるようになった。しかし高性能住宅が立ち並ぶ新興住宅地の町並みは、コンクリート舗装の外構と太陽光発電の載った箱型建築ばかりになりつつある。これは施主も設計者も、性能とお金のことしか考えていないことが原因ではないか。今の高性能住宅は、室内と庭の関係性や、風景になじむ外観や佇まいの点でまだまだ改善の余地がある。
施主の要望をそのまままとめて間取りをつくる「御用聞き型設計」から、その土地や環境のポテンシャルを最大限に生かす「提案型設計」へ、次の一歩を設計者が踏み出さない限り、この状況は変わらない。
きめ細かな施主要望の対応をしてきた工務店にとって、御用聞き設計から脱出するのは簡単ではない。提案型に舵を切るきっかけとして・・・
この記事は新建ハウジング1月10日号6面(2024年1月10日発行)に掲載しています。
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