2024年も需要減や価格上昇、人手不足などネガティブな影響が続くだろう。また、25年の建築基準法・建築物省エネ法の改正に向け、業界全体でさまざまな動きも活発化するはずだ。経営・技術上は何がハードルになるか、そのハードルをどう超えていくか、各分野の「賢人」に聞いた。
西方設計(秋田県能代市)代表取締役・西方里見さん
2025年の省エネ基準適合義務化が迫り、高断熱・高気密が一気に普及して業界の底上げが進んでいる。以前から高断熱住宅に取り組んでいた工務店の中には、当たり前のように断熱等級7を実現している会社も増えた。義務化されることの意味や効果を、いま改めて感じている。
温暖地では冷房負荷が増えているが、寒冷地では依然暖房負荷の割合が大きい。土間下断熱の有無や厚み、天空日射を意識した日射遮蔽の工夫、徹底した熱橋対策など、エネルギー消費を減らすための工夫は地域で異なる。
社会状況に目を向けると、資材高騰の影響により、中間層が住宅を所有することが極めて難しくなってしまった。やや上層の“庶民”を想定した「足軽の家」をつくろうと心掛けてきたが、今やコロナ前に比べ坪単価で30万円程度は上昇した。1棟で700万円も上昇したケースもある。世帯年収700万円以下で家を持つことはほぼ不可能ではないか。
さて、家を持てなくなった中間層はどこに住めばいいのか―エコハウスの次のテーマは・・・
この記事は新建ハウジング1月10日号6面(2024年1月10日発行)に掲載しています。
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