工務店、住宅業界にとってかなり厳しい年となった2023年を、トップランナー工務店はいかに乗り切ったのか?また、2024年はどうなると予測し、どんな手を打っているのか?23年、新建ハウジングに多大なるご協力をいただいた「2023年の顔10人」の方々に、3つの質問について回答してもらった。
サトウ工務店(新潟県三条市)代表取締役・佐藤高志さん
Q1.2023年は自社・工務店にとってどんな年でしたか?
「つながり」の効果と大切さを実感した1年だった。家づくりにおける安全持続性能を提唱する満元貴治さんや曳家岡本の岡本直也さんとの出会いを通じて自社の家づくりをアップデートし、価値を高めることができた。また、住学(新潟県内の工務店や設計事務所など建築・住宅業界の関係者らによるコミュニティ)のメンバーをはじめ、つながりのある工務店仲間が活躍する姿に大いに刺激を受けた。
さまざまなつながりから、新たに力を入れている技術コンサルティング事業も拡大し、志を同じくする工務店をバックアップしながら、より良い住宅の普及に多少なりとも貢献できたのではないかと感じている。さらに2023年は、住学の活動に対して他県からの視察が相次ぎ、山梨や福島、大阪などで住学的なコミュニティが続々と立ち上がった。厳しい市場環境のなかで、全国の工務店が、つながることの価値や重要性を感じ取っているのではないか。
Q2.2024年はどんな1年になると予想していますか?
資材価格の高騰に職人不足、着工戸数の減少など厳しい市場になることは間違いない。だからこそ、状況をポジティブに変換していくことと、厳しくなるからこそ経営(収益)のみに追われないように意識することが重要だ。ポジティブな要素として販売価格と、職人の賃金の両方のアップを実現し、好循環を生み出したい。
自分は経営者であると同時に一級建築士でもあり、建築士としての誇りがある。経営環境が厳しいからといって、“経済性”や収益確保の名のもとに家づくりで何かを妥協するつもりはない。工務店にとって2024年は・・・
この記事は新建ハウジング1月10日号5面(2024年1月10日発行)に掲載しています。
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