工務店、住宅業界にとってかなり厳しい年となった2023年を、トップランナー工務店はいかに乗り切ったのか?また、2024年はどうなると予測し、どんな手を打っているのか?23年、新建ハウジングに多大なるご協力をいただいた「2023年の顔10人」の方々に、3つの質問について回答してもらった。
ウッドシップ(東京都小平市)代表取締役・酒井忠雄さん
Q1.2023年は自社・工務店にとってどんな年でしたか?
弊社も設立15期目だが、2023年はリーマンショック以上に厳しい1年だった。ウッドショック以降の資材高騰もあるし、22年夏頃からは集客も落ち込んでいる。成約率自体は大きく変化していないので、その結果23年の受注(分譲住宅を含む)は約4割減の13棟となった。
ただ、そもそも少子高齢化で市場が縮小しているのだから、受注が減るのは当然のこと。最近は特命の受注が減り、相見積もりなど他社と比べられやすくもなってきているが、それも普通といえば普通のことかもしれない。注文住宅と、それを事業の中心にしてきた工務店の節目が来ていると感じる。
Q2.2024年はどんな1年になると予想していますか?
集客・受注は23年の秋から回復基調にある。業界全体でも、コロナや資材高騰で住宅取得を足踏みしていた生活者が動き出すだろうから、2020年初頭と同程度には回復すると見ている。その後、3年程度のスパンで緩やかに需要は減少していくだろう。
弊社としては、コロナ禍の郊外志向がひと段落した一方、地価高騰の影響か、東京都心部の賃貸マンションに住んでいる人からの問い合わせが増加した。しばらくは“都心脱出組”からの受注によって利益は維持できると見込んでいる。
Q3.2023~24年、自社の次の一手として実行したこと、計画していることは何ですか?
今後、実質賃金が上がらなければ・・・
この記事は新建ハウジング1月10日号5面(2024年1月10日発行)に掲載しています。
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