工務店、住宅業界にとってかなり厳しい年となった2023年を、トップランナー工務店はいかに乗り切ったのか?また、2024年はどうなると予測し、どんな手を打っているのか?23年、新建ハウジングに多大なるご協力をいただいた「2023年の顔10人」の方々に、3つの質問について回答してもらった。
Q1.2023年は自社・工務店にとってどんな年でしたか?
2023年の棟数は例年に比べて増減はなく、平準化できている。24年も予定は入っているが、前年比を超えるほどに棟数を増やす予定はない。一方で、断熱等級7程度の仕様を標準化して、窓の仕様や断熱性能の見直しを図ってきたため、住宅単価は上昇傾向にある。
顧客層の変化も感じている。能動的にターゲットを変化させた意識はないが、医院建築の仕事の影響なのか、弊社の評判を聞きつけてデザインと性能の両面から評価していただけることが増えた。性能を前面に押し出してPRしていた時は、デザインに無頓着な顧客もいたりして、想定する顧客の認識にズレがあったため、この変化を好意的に受け止めている。
Q2.2024年はどんな1年になると予想していますか?
弊社は設計と大工が1つのチームとして現場を回すが、設計も図面を描く職人として、「全員職人」の建築集団を目指して質を高めていく。来年もパッシブハウス認定を取得する予定の物件が数棟ある。質を高めた先として、住まい手と建てる側全員で“豊かさ”を享受していきたい。
Q3.2023~24年、自社の次の一手として実行したこと、計画していることは何ですか?
2年ほど前から、専任の現場監督を置かず、設計と大工のチームで現場を管理する体制を始めた。ようやく安定してきた仕組みをより洗練するため、例えば職人向けにパソコンのスキルを学ぶ勉強会なども催す。各職人のスキルを見直すことで効率化できることもあるだろう。
大工にとっては・・・
この記事は新建ハウジング1月10日号4面(2024年1月10日発行)に掲載しています。
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