工務店、住宅業界にとってかなり厳しい年となった2023年を、トップランナー工務店はいかに乗り切ったのか?また、2024年はどうなると予測し、どんな手を打っているのか?23年、新建ハウジングに多大なるご協力をいただいた「2023年の顔10人」の方々に、3つの質問について回答してもらった。
Q1.2023年は自社・工務店にとってどんな年でしたか?
住宅着工は約2年に渡って減少し続けている。このところ減少幅は小さくなっているが、確実に需要は減少している。弊社も2023年は大変厳しい状況だった。集客しないと受注が獲得できなくなってきた。
業界全体を俯瞰してみると、およそ20年前に成長著しかった工務店が不振に陥っているように見える。この20年で、性能や価格、生活者の志向、DXの進展などさまざまな変化が工務店に起こった。例えば価格上昇は、顧客の階層がより上にシフトすることを意味する。顧客層やニーズの変化に対応できなかったら、当然ながら受注は減るわけだ。
業界や生活者の変化に対応できたか、5年周期で“脱皮”できているかによって明暗が分かれている。
Q2.2024年はどんな1年になると予想していますか?
2024年は、人材の移動が活発化し、工務店の再編成が進む1年になると予想する。集客・受注の不振が続く、つまり仕事がない企業からは優秀な人材が流出する。一方で、好調な工務店にとっては、他社から流出した優秀な人材を囲い込むチャンスともなる。
また、25年の建築基準法改正(4号特例の縮小)によっても淘汰は進む。ただでさえ負担の大きい書類作成の手間もさらに増え、対応に苦慮して廃業する工務店も増えるだろう。構造計算の需要も高まるはずで、構造事務所に依頼が殺到すれば確認申請までのリードタイムは確実に伸びる。改正の混乱に耐えるためにも・・・
この記事は新建ハウジング1月10日号4面(2024年1月10日発行)に掲載しています。
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