政府が、能登半島地震からの復旧・復興を進めるため、2024年度予算案に盛り込まれた予備費について、現状の5000億円から1兆円に倍増させる方針を固めたことが10日、分かった。財源として新規国債発行額を増やす。変更した予算案を16日に閣議決定し、26日召集予定の通常国会に提出する。
予備費は自然災害や経済危機などの不測の事態に備え、使い道をあらかじめ定めずに予算に計上する。政府は9日、被災地の要請を待たず物資を緊急輸送する「プッシュ型支援」に充てるため、23年度予算の一般予備費から47億3790万円の支出を決定。岸田文雄首相は追加対応として、24年度予算案の予備費増額も鈴木俊一財務相に指示していた。
23年12月22日に閣議決定した24年度予算案の一般会計総額は112兆717億円と過去2番目の規模。決定した予算案を短期間で変更し、閣議決定をし直すのは異例の対応となる。被災地でインフラ復旧など財政需要が一段と高まるとみて、予備費を倍増させる。
岸田政権は当面、予備費を通じた機動的な支援に重点を置く。23年度予算の一般予備費は約4600億円残っている。3月末まではこれを活用し、被災地の生活やなりわいの再建に向けた支援パッケージなどの費用を賄い、4月以降は24年度予算で対応する方針だ。
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