早いもので、連載6回目となる今回が、2023年最後の更新となります。今年1年を振り返り、これから工務店業界が向きあうべき課題についてまとめました。
来年も時代の変化に対応できる強いチームを目指したい。そして、お客様に選ばれる工務店であり続けたい。そう思われているあなたは、ぜひ参考にしてみてください!
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エクセレントチームで実験と検証を繰り返した1年
2023年は各所で、エクセレントチームを機能させるために奔走した1年でした。
たんにメンバーを集めるだけではなく、チームが最適な形で動けるようなフォローやアイデア出しに注力して、案件ごとにたくさんの「しかけづくり」ができたと感じています。
これまでにも本連載でもご紹介したように、外部パートナーとして、地域のフリーランスとタッグを組んで地方工務店を支援し、課題解決に導いてきました。
おかげさまで、新潟市を中心に8社の地域工務店と協働しながら、エクセレントチームの実験と検証を繰り返してきました。実験しながらも常にKPIを設定し、結果にもコミットする意識を持ち続けてきたことで、高い成果や、次に繋がる多くの仮説を得ることもできたと感じています。
一部では協業の価値観が根付き始めた
完成見学会のPRからオーナー向けファンイベントの企画・運営まで、さまざまな案件で工務店と協業する中で、家づくり以外の「工務店らしさ」をアピールできる絶好の機会を、うまく活用できていない工務店はまだまだたくさんあると感じます。
業界が抱える「人材・企画力・実行力」不足という課題に、改めて向き合わなければならないと痛感した1年でもありました。
とはいえ最近では、工務店でも協働やコラボの認識が広まり、競合することへの抵抗感は薄れてきていると感じます。若い世代のプレイヤーはその傾向が顕著ですし、積極的に情報発信している工務店や、いわゆる「行列のできる工務店」はコラボを得意としている傾向にあります。2024年以降もエクセレントチーム体制がさらに波及していくことは、間違いありません。
「人材投資」がこれからの組織を進化させていく
人的資本経営が社会全体で話題になっている中で、工務店業界にも「人材投資」の意識が必要だと、強く思います。社員はもちろん、職人などへの教育投資をより意識的に行うことが、組織を進化させるための一歩です。
そのためには、ただ業務に必要なスキルを学ぶための研修だけでなく、本人のキャリア形成を含めたアクションが必要です。今後新卒や中途で入社するZ世代の中には、高校や大学で探求学習により自発的に問いを見つけて学ぶことに慣れている人材もいることでしょう。
そうなると、工務店業界とのギャップに驚くかもしれませんし、ミスマッチによる離職にも繋がりかねません。いち早く人材投資を意識し、時代に揺らがない組織をつくっていきましょう!
VUCAの時代で生き残るために、転換し続ける
2024年も、今年以上に変化の激しい1年になりそうです。今は、誰も予想できないVUCA(Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性))の時代。生き抜くためには、変化に強いチームが必要不可欠です。人材あってのチームですから、引き続き人材への意識を高く持って、挑戦し続けたいと思います。
これまで読んだ中で印象に残っている「ライフピポット」という本があります。本書には「経験による蓄積と偶然が、キャリアの転換を実現する」と書かれています。まさに工務店も、今まで培った「経験」と今後予想される変化や出会いの「偶然」を掴めるかどうかが、転換して視野を広げるための重要なキーとなりそうです。
行動しなければ、経験を蓄積することはできません。偶然の出会いや変化にも、気がつけないかもしれない。本連載では引き続き、人材投資に重きを置いた「エクセレントチーム体制」導入のメリットや具体例をお届けします。変化の中で転換しながら、より強い組織をつくって結果を出すために。これからも、一緒に頑張りましょう!
2024年も協働の時代の流れがますます加速していくでしょう。
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