国土交通省が12月14日に公表した2024年度「税制改正要望」では、災害に強く安全で安心な社会の実現を目指すため、浸水被害対策や津波対策に係る特例措置の延長が盛り込まれた。災害復旧を行うとび・土工工事業者が使用する建設機械の軽油引取税の特例措置も延長される予定。
浸水被害対策では、特定都市河川流域や浸水被害対策区域の敷地内に雨水を集める雨水貯留浸透施設を民間事業者が整備する際に、市町村が固定資産税の割合を特例的に下げられる措置がある。この措置を3年間(2027年3月31日まで)延長する。ビルやホテル、学校、戸建住宅の地下に施設を設置することを想定している。
津波対策では、民間のビルや立体駐車場などを津波避難施設として効果的に活用するため、緊急時に避難場所として使用される箇所(フロアの一部など)や、防災用倉庫・防災用ベンチ・非常用電源設備などに係る固定資産税を軽減。この特例措置を3年間(2027年3月31日まで)延長する。津波対策に資する港湾施設(護岸・防潮堤・胸壁、津波避難施設)への特例措置も4年間(28年3月31日まで)の延長を要望した。
他にも、高規格堤防整備事業のために取得する建替家屋に係る不動産取得税・固定資産税の特例措置についても延長を要望。同事業はゼロメートル地帯に密集した市街地がある河川に高規格堤防を整備するもの。地内の土地・家屋の所有者は、整備工事のために一旦家屋を除去し、移転先で数年間生活。工事終了後に再び事業地内で土地・家屋を取得する。その際に税制優遇を行うことで地権者の早期合意を図る。
災害復旧行う事業者にも配慮
軽油引取税の特例措置では、とび・土工工事業者が使用する建設機械、港湾整備に従事する作業船、荷役機械などに使用される軽油引取税を免除する措置を3年間(2027年3月31日まで)延長。これにより住宅・社会資本の整備・維持管理、災害復旧や、港湾整備(浚渫など)に携わる事業者の負担を軽減する。
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