毎月、さまざまなクレーム、トラブルの事例を取り上げてきた当連載も丸2年。昨年に引き続き、この1年を振り返りながら、トラブルの傾向、予防法について考察する。働き方改革、インボイス制度、電子契約など、業務内容の変化を迫られる状況であるだけに、あらためて自社の接客、施工管理などの体制を見直してみよう。
2023年の連載の振り返りを行いつつ、あらためてトラブル防止のポイントを見直そう。1月20日号から11月20日号までをまとめたのが、右記に掲載した表だ。
工務店側の「常識」は建て主には通用しない
昨年は、トラブルの原因として、①設備や性能についての認識の「ずれ」、②顧客とのコミュニケーション不全という2点を挙げた。今年はそれを踏まえ、①については、もう少し幅を広げて「現場」についての工務店側の「常識」と、顧客側の「不安」とがバッティングした例を取り上げることが多かった。
たとえば、1月の「クロスを貼ってみたらイメージと違う」、3月の「照明機器の取り付け位置のズレ」、4月の「鉄筋のサビに不安」、5月の「間違えて空けた貫通孔」、8月の「設計通りに施工したのに雨漏り」、などのクレーム内容は、工務店側からしたら、「まあこのくらい問題ないだろう」「建て主が気にしすぎ」「こちらに責任はないのに」と言いたくなる面もあったかもしれない。
しかし・・・
この記事は新建ハウジング12月20日号8面(2023年12月20日発行)に掲載しています。
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