総務省が12月15日に公表した2022年度の「公害苦情調査結果」によると、全国で発生した公害の原因で最も多かったのは「工事・建設作業」で、1万2492件もの苦情が寄せられたことが分かった。発生源では、「会社・事業所」が3万1847件で最多となったが、このうち4割は建設業によるものだった。
同調査は、2022年4月1日から23年3月31日までの期間に、全国の都道府県・市町村の公害苦情相談窓口に寄せられた苦情を集計したもの。典型的な7公害(騒音・大気汚染・悪臭・水質汚濁・振動・土壌汚染・地盤沈下)および、それ以外で多かった苦情の内容について件数や処理状況を調べている。
7公害では「騒音」が最多
調査によると、2022年度の公害苦情受付件数は7万1590件で、対前年度比で2.9%減少。このうち「典型7公害」は5万723件(同1.3%減)、「それ以外」は2万867件(同6.6%減)だった。「典型7公害」の割合は、「騒音」が1万9391件で約3割を占め、次いで「大気汚染」1万3694 件、「悪臭」1万118件、「水質汚濁」4893件、「振動」2411件―の順となっている。
発生原因を詳しくみると、最も多かったのは「工事・建設作業」で、全体の17.4%となる1万2492件。このうち8割が「建設業」によるものだった。次いで「焼却(野焼き)」1万1875件(16.6%)、「投棄された廃棄物」7840件(11.0%)となった。
さらに発生源を詳しくみると、「会社・事業所」が3万1847件(44.5%)で最も多く、次いで「個人」が2万3103件(32.3%)。「会社・事業所」を産業別でみると、最多は「建設業」で全体の41.7%を占める1万3268件だった。「建設業」の内訳は、「工事・建設作業」が1万424件で全体の約8割を占め、次いで「焼却(野焼き)」624件、「産業用機械作動」599件、「投棄された廃棄物」307件(2.3%)の順に苦情が多かった。
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