国土交通省は、不動産業者らが空き家の所有者から管理業務を請け負う際の指針を、今年度内に策定する考えだ。改正空き家対策特別措置法の施行に伴い、遠方に住む所有者が当面の管理を業者らに委託するニーズが高まると予想されるため。トラブル時の対応を契約前にあらかじめ明確にしておくことなどを盛り込む。
13日に改正法が施行され、屋根や窓ガラスが壊れるなどした空き家を、市区町村が「管理不全空き家」に認定する仕組みが創設された。市区町村が改善を勧告しても、所有者が従わなければ、固定資産税の軽減措置が受けられなくなる。
これに伴い、同省は所有者が当面の管理を第三者に委託するケースが増えるとみている。適切な利活用方法が見つからないまま放置し、状態が悪くなってしまうと税負担が重くなるためだ。
ただ、こうした管理業務について現状では具体的なルールがない。同省は、指針の形で一定のルールを示すことで、不動産業者らが参入しやすい環境を整えたい考えだ。
指針では、管理期間中にトラブルが発生した場合の対応を、所有者と業者が契約を結ぶ前に決めておくよう促す。具体的には、家具や家電の盗難、不法侵入、不法投棄があった場合の費用分担などを明確化しておくことを求める。
この他、所有者が物件の状況をチェックできるように、管理業務の報告は口頭でなく写真や動画を添付することなども盛り込む方針だ。
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