国土交通省は12月13日、自然災害の再被災防止のために緊急的に実施する「防災・減災対策等強化事業推進費」について、2023年度の最終配分(第3回)を行うと発表した。大雨による浸水被害が発生した地域の再被災防止や、大雨などによる災害を未然に防ぐための予算で、事業の実施環境が整った地域事業に対し、年度途中で予算を配分している。今回の対策件数は10件で、配分額は約13億円。6・7月豪雨などで被害を受けた秋田県、愛知県、熊本県などが対象となる。
配分予算は被災地域での災害対策分として、洪水・浸水対策(河川)が6件、6億8400万円、崖崩れ・法面崩壊対策(道路・治山)が2件、4億6300万円。事前防災対策分として、洪水・浸水対策(河川)1件、1億円、崖崩れ・法面崩壊対策(道路)1件、5000万円が配分される。都道府県別では、秋田県(2件)、福島県(1件)、静岡県(3件)、愛知県(2件)、三重県(1件)、熊本県(1件)で実施する。
このうち6月豪雨で護岸が損傷した木曽川(愛知県一宮市)では、再度災害防止対策として法枠護岸工を実施。同地域は、木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)が合流・分流を繰り返す水害被害の多い地域で、河川の氾濫により浸水被害に遭うと予想される家屋は約12万7200戸。保育所や幼稚園、小学校なども浸水想定範囲に含まれる。事業予算は1億5050万円。
また、長良川(三重県桑名市)では、今年度に入って関係者との合意形成が得られたことから、事前防災として洪水による浸水リスクを軽減させるための築堤護岸工を実施。同地域は、背後に桑名市役所支所、緊急避難所などの重要施設があり、河川が氾濫した場合に4600戸を超える床上浸水被害が予想されている。事業予算は1億円。
「防災・減災対策等強化事業推進費」は近年、激甚な災害が頻発していることを踏まえ、緊急的かつ機動的に配分する予算として確保。災害を受けた地域での災害対策事業、公共交通に係る重大な事故が発生した箇所での公共交通安全対策事業、早期に事業効果が発揮できる箇所での事前防災対策事業として活用できる。
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