フレディマック(連邦住宅金融抵当公庫)の発表によると、米国における10月の住宅ローン金利は平均7.62%となっており、2000年以来最高の水準にまで達している。住宅ローン金利の高騰が住宅需要に大きな打撃を与えたため、米新築住宅販売件数は押し下げられた。
米国商務省国勢調査局と米住宅都市開発省がこのほど共同発表したデータによると、2023年10月の米新築住宅販売件数は67.9万件(季節調整済み)で、9月の71.9万件(下方修正値)から5.6%減少した。なお、年初来では4.6%、前年同月比では17.7%それぞれ増加している。
地域別の新築住宅販売件数を見ると、北東部と南部では前月比の増加が見られる一方で、中西部と西部における減少が著しい。北東部は4.3万件(+13.2%)、中西部は5.1万件(-16.4%)、南部は44.0万件(+2.1%)、西部は14.5万件(-23.2%)となった(括弧内は前月比)。
一方で、地域別の新築住宅販売件数を前年同月比で見ると全地域で増加しており、北東部は+10.3%、中西部は+8.5%、南部は+19.2%、西部は+18.9%となった。
新築住宅の在庫は43.9万件で、6か月分に近い水準が良いバランスであると見なされる中、7.8か月分と1月以来の高水準となった。新築住宅と中古住宅を合わせた総在庫のうち、新築住宅は全体の30%を占めた。過去の平均は12%だったため、中古住宅の在庫が逼迫していることがわかる。
住宅販売価格の中央値は40万9300ドル(約5927万円)で、前月比で3.1%、前年同月比で17.6%下落した。住宅販売価格の平均値は48万7000ドル(約7051万円)だった。
住宅販売価格の減少はやや小規模な住宅の建設へのシフトが原因とみられ、その証拠に販売された新築住宅のうち、30万ドル以上40万ドル未満の住宅が占める割合が、前年同月比で13%も増加している。また、20万ドル以上30万ドル未満の住宅が占める割合と40万ドル以上50万ドル未満の住宅が占める割合も、前年同月比で2%増加している。逆に、50万ドル以上75万ドル未満の住宅が占める割合は大幅に減少しており、前月比では4%、前年同月比では13%、それぞれ減少した。
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