住宅生産団体連合会(住団連、東京都千代田区)がこのほど公表した2023年度「第3回(7~9月期)住宅業況調査」によると、戸建注文住宅の受注棟数は今期実績が「-9」、来期見通しが「-12」となり、いずれもマイナス傾向に。低層賃貸住宅は、今期は「-5」とマイナスだったが、来期は「+1」とプラスの見通しとなった。
戸建注文住宅の受注金額は、原材料費などの価格転嫁が進んだこともあり、今期実績が「+13」、来期見通しが「+10」に。低層賃貸住宅は今期「+26」、来期「+21」となった。一棟当たりの受注床面積は、戸建注文が今期「-3」、来期「-2」とマイナスだったのに対し、低層賃貸は今期「+11」、来期「+10」といずれもプラス傾向となっている。
戸建受注金額は北海道で増加傾向
エリア別の戸建注文住宅の受注棟数(実績)は、「九州」でプラスの割合が最も高く(47%)、「北海道」でマイナスの割合が最も高かった(55%)。受注金額(実績)ではその逆となり、「北海道」でプラス回答が多く(66%)、「九州」でマイナス回答が多かった(28%)。「北海道」では一戸当たりの受注床面積が拡大傾向にあることから、これによって受注金額が押し上げられたと考えられる。見学会、イベントなどへの来場者数は、ほとんどのエリアで5割以上が「減少」したと回答。中でも「北海道」で89%と減少率が高かった。
エリア別の低層賃貸住宅の受注棟数(実績)は、マイナス回答の最多は「北海道」で67%、プラス回答の最多は「関東」で44%だった。受注金額(実績)では、「近畿」(65%)、「関東」(57%)でプラスの割合が高かった。マイナス回答の最多は「北海道」の66%で、全体の引き合い件数でもマイナス回答が10割を占めている。
同調査は、同連合会の会員各社の支店・営業所・展示場などの営業責任者に対して、戸建注文住宅または低層賃貸住宅に関する業況感を尋ねたもの。回答数は戸建注文が316件、低層賃貸が151件。今期と前期を比較して、「10%以上良い」「5%程度良い」「変化なし」「5%程度悪い」「10%程度以上悪い」の5段階で回答してもらい指数化している。
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