奥村組(大阪市)はこのほど、木造ハイブリッド構造(木造とRC造の混構造)を採用した8階建ての自社社員寮(埼玉県川口市)を、11月に着工したと発表した。2025年3月完成予定。
ESG/SDGsへの取り組みの一環として行うもので、3階以上の木造部分に約250m3の木材を使用する計画。木材利用による炭素貯蔵量(CO2固定量)は約170tを見込む。同施設は敷地面積854.00m2、延床面積1809.18m2で、1階~3階床までRC造、3階柱~8階が木造(一部RC造)となる。
同社は、建設地が荒川洪水ハザードマップの浸水想定区域のためハイブリッド構造を採用した。1・2階間に免震層を設けた中間階免震構造とし、地震発生時等の木造躯体への水平力を軽減している。また、スラブ等にRC造を採用し、床の遮音性確保と風揺れ対策を実現した。
同社は、シェルター(山形市)とOEM契約を締結し、燃え止まり層に石膏ボードを使用した木質耐火部材「SHIELD WOOD(シールドウッド)」を3階から8階の柱・梁に採用。また、自然素材によって社員がリラックスできるよう、屋内の仕上げ材などにも木質材を多用する。
同建物は国土交通省の2023年度「優良木造建築物等整備推進事業」に採択されている。
今後、同建物の設計・施工で得られる知見やノウハウを生かし、同社が手掛ける建築構造物の木造化・木質化を推進することで、カーボンニュートラルの実現に貢献していく。
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