オランダ・アムステルダム市が進める、10年間で最大30校の「高品質でフレキシブルで持続可能な」学校を建設する計画である「イノベーション・パートナーシップ・スクール・ビルディング(Innovation Partnership School Buildings)」プログラム。同プログラムの最初の適用対象であるWisperweide校のデザインが、このほど明らかになった。
デザインしたのは、オランダのコンソーシアム(共同事業体)「Circlewood」の一員である、建築設計事務所Studio A Kwadraat(オランダ・ブレダ)とOffice for Metropolitan Architecture(オランダ・ロッテルダム)に所属する建築家ら。Circlewood開発のモジュール建築工法である「HoutKern Bouwmethode」が採用されている。
「HoutKern Bouwmethode」では、規格化された木製の柱とクロスラミネートされた木製の床パネルで構成されたモジュールが、リサイクル・スチールのジョイントで接続される。すべての部材はデジタル制御で精密に製造されているため、電動クレーンによる迅速な組立・解体が可能。部材は幅3.6m、長さ7.2m、最大3階建ての構造フレームワークに配置され、教室やオフィスから講堂や体育館、庭園や陸上競技場まで、さまざまなサイズや用途の空間を作り出す。
バイオベースのパーティションは、インドア・クライミングや垂直農法など、さまざまな学校活動に活用することができる。また、耐久性に優れ、組み立てが簡単なこのシステムにより、ニーズの変化に応じて学校を拡張したり、規模を縮小したり、構成を変えたりすることもできる。
このほど明らかになったWisperweide校のデザインでは、透明の壁やファサードが印象的だ。自然光が差し込む広々とした教室・廊下は、開放感にあふれる魅力的な空間となっている。
設計したStudio A Kwadraatの建築家ジミー・ファン・デル・アー氏は「Wisperweideは単なる建物ではありません。私たちの未来の世代の成長と発達のための肥沃な土壌を提供する、素晴らしい学校です。私たちのデザインは、子どもたちが学び、協力し、ユニークな可能性を探求するための安全で刺激のある環境を約束します」とデザインに対する自信を滲ませた。
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