空き家の強化や活用を促す改正空き家対策特別措置法が12月13日、施行される。状態の悪い物件の区分として、新たに「管理不全空き家」を創設。市区町村が所有者に是正を勧告した場合、固定資産税の軽減措置を適用しない仕組みを設ける。国土交通省の担当者は「所有者は放置せず、適切な管理を意識してほしい」と呼び掛けている。
現行制度は、放置すれば倒壊など周辺に著しい悪影響を及ぼす恐れがある物件を「特定空き家」としており、新設する「管理不全空き家」はその予備軍との位置付け。例えば▽屋根や柱が破損、腐食している▽窓ガラスが割れている▽立木や雑草が繁茂している―といった点を基に、市区町村が判断する。
改正法では、市区町村が該当物件の所有者に修繕や撤去を指導、勧告できる仕組みも設定。勧告を受けた場合、所有者は空き家の敷地にかかる固定資産税について、最大6分の1軽減される措置が受けられなくなる。
総務省の2018年調査によると、賃貸・売却用物件や別荘などを除き、使用目的のない空き家は全国に約349万戸あり、1998年からの20年間で約1.9倍に増えている。
国交省は、このままのペースでは30年に約470万戸まで増えると推計。手入れして活用可能な空き家を増やすなどして、同年に400万戸程度に抑える目標だ。
改正法ではこのほか、市区町村が設定した区域内で空き家の建て替えや土地の用途変更をしやすくする制度や、「管理活用支援法人」に指定された地域のNPO法人などが所有者からの相談対応に当たる仕組みも設ける。
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