積水ハウス(大阪市北区)が12月7日に公表した2024年1月期第3四半期(2-10月)の連結決算は、売上高が前年同期比2.8%増の2兆1895億円と過去最高の売上高を更新。通期計画に対し71%まで進捗した。その一方で資材価格の高騰が響き、営業利益は同7.8%減の1866億円、経常利益は同7.9%減の1866億円、四半期純利益は同5.3%減の1418億円となった。
請負型ビジネスのうち戸建住宅事業は、売上高3421億円(同2.7%減)、営業利益263億円(同12.6%減)に。価格改定と高付加価値提案の効果により売上総利益率が改善した。賃貸・事業用建物事業は、「シャーメゾンZEH」などを中心に受注が好調に推移。売上高は3904億円(同5.3%増)、営業利益は579億円(同5.5%増)となった。建築・土木事業は追加変更工事の獲得により採算が改善し、同0.9%増の増益となった。
ストック型ビジネスの賃貸住宅管理事業は、管理室数の増加と高水準の入居率により、売上高4826億円(同4.5%増)、営業利益380億円(同4.8%増)に達した。リフォーム事業は戸建住宅の提案型・環境型リフォーム、賃貸住宅のリノベーション提案により大規模リフォームの受注が増え、売上高は1258億円(同5.7%増)、営業利益は160億円(同9.0%増)と好調。
開発型ビジネスの仲介・不動産事業は、不動産販売が好調で、売上高は1991億円(同23.1%増)、営業利益は186億円(同37.8%増)の大幅増に。マンション事業は、引渡し時期のずれにより売上高598億円(同5.7%減)、営業利益は90億円(同17.8%減)となったが、大型案件などを中心に好調だった。都市再開発事業は物件売却が順調に進捗し、売上高は880億円(同11.3%増)、営業利益は152億円(同128.4%増)と大幅に伸びた。
国際事業は、住宅ローン金利の急上昇で苦戦していたアメリカの戸建住宅の受注が、高品質な新築住宅のニーズによりやや回復。全体では需要の落ち込みが継続し、売上高は3325億円(同5.1%減)、営業利益は333億円(同45.5%減)にとどまった。
通期予想は据置きで、売上高3兆800億円(同5.2%増)、営業利益は2650億円(同1.3%増)、経常利益は2590億円(同0.7%増)、純利益は1930億円(同4.6%増)。物件売却の進捗とアメリカの戸建住宅事業の回復により、過去最高益を達成する見通し。
【組織再編】積水ハウス建設ホールディングス設立
同社では、11月1日付で設立した積水ハウス建設グループの中間持株会社・積水ハウス建設ホールディングス(株)との間で、2024年2月1日を効力発生日とする吸収分割を実施。これにより積水ハウス建設各社の地域密着性を踏まえた機動的な人事制度改革を実施し、「請負型ビジネス」の成長を図る考え。
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