ひと昔前は嫌がられていた親世帯との同居。だが最近は、1.5世帯(親+子世帯)、2世帯(親世帯+子世帯)、2.5世帯(親世帯+子世帯+未婚の兄弟姉妹)といった住まい方が増えつつある。
石川県金沢市の喜多ハウジング(西谷清社長)では、「同居型リフォーム」の施工数が前年比140%を超えるという。同社ではその背景として、若年層の価値観の変化を挙げる。1995年頃に育ち盛りだった世代は、バブル後のモノ・資源を大事にするという価値観に馴染んできたため、築30年程度の住まいを壊して建て替えたり、新しい土地を求めて新築するという考えから、生まれ育った住まいをリフォームして親世帯と同居する住まい方のほうがしっくりくるのではないか、と指摘。
また、若年層の世帯年収の低下も一因とし、親子両世帯で少しずつリフォーム資金を出し合うことで、月々のローン返済の負担を減らしアパート家賃よりも少ないローン返済を計画するケースが多いとする。
こうしたリフォームを数多く手がける同社は、リフォームデザインコンテスト(ジェルコ主催)といしかわエコリビング賞改修部門(主催:石川県)のダブル受賞を記念して、1月12・13日に石川県内の4会場で同居型リフォームの完成見学会を開催する。
いずれも1.5〜2世帯が快適に暮らすために築23〜70年の住まいをリフォームした事例で、なかには築70年の古民家の趣きを残しつつ耐震改修、断熱改修をほどこし2世帯同居を実現した物件もある。単なる取り替え・修繕リフォームではなく、動線・温熱環境を改善するとともに、住まい手の思い出の場所をステンドグラスで再現するなど魅力的な提案が評価されているようだ。
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