政府・与党が、子育て世帯を対象とした税優遇措置を検討していることが5日、分かった。扶養する子どもがいる場合、生命保険料の控除上限を引き上げることや、引き下げが決まっている住宅ローン減税の借入限度額について現行水準を維持する案を議論する。子育て世帯の負担を減らし、少子化対策を税制面から後押しするのが狙い。今月中旬に取りまとめる2024年度税制改正大綱に向け、自民・公明両党の税制調査会で詳細を詰める。政府関係者は「子育て世帯をパッケージで支援できないか検討する」としている。
生命保険料控除は生命保険料を所得から差し引き、所得税額を減らすことができる仕組み。政府・与党内では子どもがいる世帯の控除額を手厚くし、それ以外の世帯の控除額を縮小する案も出ている。
現行の生命保険料控除は、所得税は計12万円まで、住民税は計7万円まで控除できる。12年以降の契約を対象とした新制度では、一般生命保険、介護医療保険、個人年金保険の控除上限はそれぞれ所得税が4万円、住民税が2万8000円となっている。
住宅ローン減税は借入残高の0.7%を所得税などから差し引く税優遇措置。借入限度額は新築の長期優良住宅で5000万円、省エネ基準適合住宅で4000万円だが、来年からは4500万円、3000万円にそれぞれ引き下げが決まっている。住宅価格の高騰を踏まえ、政府・与党は子育て世帯や40歳未満の夫婦に限り、現行水準を維持する案を軸に検討する。
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