デザイン性の高いオフィス・店舗リノベーションなどを得意とする工務店・marug(マルジ、新潟県新潟市)は、築40年余りの空きテナントビルを、このほど「ペット共生型」の賃貸オフィス兼住居として再生した。周辺で老朽化した賃貸ビルの空室化が目立つなか、リノベによって今のライフスタイルやビジネスのあり方にフィットする付加価値の高い建物にすることで、相場よりも高い家賃で持続的に賃貸物件を運用していくモデルとして注目だ。
同社代表で建築士の畔上陽子さんは、「愛犬家住宅コーディネーター」の資格を持ち、自身も愛犬(ミニチュアシュナウザー)との暮らしを楽しむ。畔上さんは、完成させたペット共生型の建物について「借り手がつかなくなった古い賃貸物件を家賃を下げて何とか埋めようという、いわゆる“ペット可”物件とは全く異なり、人もペットもストレスフリーで一緒に、より豊かで幸せに生きていける環境を目指した」と訴える。
鉄骨造の2階建てで、1階のうち野菜卸業の大家が仕事場として活用するスペースを除く7坪をオフィス・店舗など多様なスモールビジネスに利用可能な空間とし、2階の18坪を間仕切り壁のない白を基調とする明るく開放的なワンルームの居住空間とした。
1階には広い土間を設けて、その土間の一部に散歩をしてきた犬の足を洗うことができる洗い場(温水シャワースペース)をつくった。畔上さんは「汚れを落とせる洗い場が室内にあると、例えば寒い日の散歩の後などでも、飼い主と犬の双方がストレスを感じに済むんです」と説明する。
「ペットの犬が室内で感じる最大のストレスは床で足が滑ってしまうこと」との理由から・・・
この記事は新建ハウジング12月10日号4面(2023年12月10日発行)に掲載しています。
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