国際航業(東京都新宿区)は12月5日、地方自治体のGX推進担当者108名を対象に実施した「地方自治体のGXに関する実態調査」の結果を発表した(エネがえる運営事務局調べ)。2050年カーボンニュートラルの実現や地域脱炭素に向けて「GXの取り組み」の重要性について、53.7%が「非常にそう感じる」、31.5%が「ややそう感じる」と回答し、85.2%が重要性を実感していることがわかった。
GX実現に向けた取り組みについては、「十分にできている」(18.5%)、「ややできている」(41.7%)をあわせて、60.2%が「できている」と回答。「できていない」(「あまりできていない」31.5%・「全くできていない」5.6%)は37.1%だった。GX実現に向けた具体的な取り組みとして最も多かったのは「企業と連携した太陽光パネルなど再生可能エネルギー発電設備の導入」(53.8%)で、次いで「CO2排出量の可視化」(52.3%)、「GXに取り組む中小企業への支援」(44.6%)が続いた。
また、GX実現に向けた取り組みが「できていない」と回答した人に理由を聞いたところ、「GX関連の技術や専門知識が不足しているから」(40.0%)、「自治体と企業・金融機関をはじめとする関係機関との連携が進まないから」(37.5%)、「取り組みの成果を可視化するのが難しいから」(25.0%)をあげている。一方、太陽光や蓄電池、電気自動車(EV)の導入については、「非常に興味がある」が27.5%、「やや興味がある」が52.5%となり、取り組みができていない自治体の8割が興味を持っていることがわかった。
「GXの取り組み」の重要性を実感している自治体で最も多かったGX実現に関する悩みは、「CO2排出量の可視化で精一杯となり、具体的な施策実行まで手が回らない」(52.2%)だった。次いで「取り組みの経済効果を可視化できず、地域住民の行動変容が難しい」(43.5%)、「地域住民や事業者を巻き込んで推進するのが大変」(42.4%)が続いた。そのほか自由回答では、「企業の理解と、取り組みの予算が難しい」や「形にとらわれて実行が伴っていない」などの悩みが寄せられた。
GX実現に向けた取り組みが「できている」と回答した自治体に、CO2排出量算出にどのようなデータを使用しているか聞いたところ、「産業平均の排出原単位データベースなどの外部情報のみ」が33.8%、「自ら収集・把握した個別データのみ」が38.5%、「産業平均の排出原単位データベースなどの外部情報と自ら収集したデータの両方」が18.5%という結果になった。「外部情報のみ」「外部情報と自ら収集したデータの両方」を使用している自治体では、「本音としては、自ら収集・把握した個別データのみを使いたい」が85.3%(「非常にそう思う」38.2%・「ややそう思う」47.1%)にのぼった。
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