石井工務店(長野県上田市)の宮嶋絵美子さんは、建築や不動産のスキルを生かしながら、「大好きな地元を元気にしたい」という思いを実現するために、空き家の利活用やまちづくり的な展開も含めた空き店舗・事務所リノベーションなどに取り組む。多様なキャリアの歩みと、それによって培われたマルチスキルが効果的に発揮されている宮嶋さんの仕事を追った。
ストック主体の経営にシフト
◉石井工務店は社員8人で女性は4人。技術系の女性社員2人のうち1人は現場監督で、宮嶋さんはリフォーム工事の設計や顧客対応のほか、空き家の利活用を含む不動産関連の業務全般を担う。宮嶋さんは現在43歳で入社7年目
◉同社の石井輝樹社長は、新築市場の縮小を見越し、ストック主体の工務店経営へのシフトを見据えて宮嶋さんを採用。石井社長を含む男性4人は、大工をベースとする多能工で内製化率が高く、空き家・空き店舗リノベのほか、性能向上メインの改修なども自社ワンストップで対応する
リノベまちづくりの仕掛け人のもとで研修
◉石井工務店に入社後、長野市の善光寺門前町でリノベまちづくりの仕掛け人として全国的にも有名だったMY ROOM・倉石智典さんのもとで3カ月間、研修。空き家の目利きや所有者の探し方、空き家見学会による所有者とテナントのマッチング、物件単体にとどまらせず、エリア的に展開していくノウハウなど、非常に多くのことを学んだ
◉研修も踏まえて、本格的に空き家・空き店舗のリノベーション・利活用、その先に大好きな地元を元気にしていくような活動をしていこうと決めた。そのために必要な二級建築士、宅地建物取引士の資格も取得
空き店舗をサブリースのテナント施設に再生
◉5年ほど前に、上田市の中心市街地で空き店舗となっていた築50年余りの施設を、所有者の了解を得て同社でリノベーションし、テナント施設「26bldg(ニィロクビルヂング)」として再生。会社で同施設を借り上げ、自社直営の「古道具屋」を営みながら、デザイン事務所、パン屋にサブリースしている
◉古道具屋は、・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー12月号(2023年11月30日発行)社員の多能化で生き残る! 育てる人事[超]実用セオリー』(P.62〜)でご覧ください。
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