衰退しつつある建設業、なかでも主に住宅を対象とする中小工務店は、多様な仕事に対して多様な技術で対応して売上を確保する必要がある。それには多能型の人材が不可欠。日々の業務をこなしつつ、いかに多能化するか。ゼムケンサービスの取り組みを紹介する。
中小工務店が多能型人材を育成するには、営業や設計、工務をひと通り経験させるしかない。一方、中小工務店には人員的な余裕はなく、純粋な育成期間を設けるのは難しい。未熟練者に失敗しながら仕事のやり方を覚えてもらうのが通例だ。
その際に有効なのが14頁で紹介したワークシェア。通常1人で行う業務を2人で行い、担当外の社員も手助けする。未熟練者のストレスは大幅に軽減される。同社はこの仕組みをもとに、業務マニュアルやツールを充実させており、未熟練者が担う業務の質が格段に向上する。
業務マニュアルで仕事の質を高める
同社の業務マニュアルの中核が、営業や設計、工務をカバーする「ゼムケンノート」。代表の籠田氏が経験で培った考え方や手法をまとめたもので、毎年内容が追加されている。
このツールはクラウド上に保存。社員は適宜タブレットで参照する。社員が自主的に参照するほか、先輩社員などが後輩などの状況を見て、アドバイスとして参照項目を伝えることもある。
「ゼムケンノート」の特徴の1つが・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー12月号(2023年11月30日発行)社員の多能化で生き残る! 育てる人事[超]実用セオリー』(P.34〜)でご覧ください。
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