中小工務店の理想は多能的な能力をもつ10年選手を複数育成すること。だが、現実は育成期間を確保する余裕がない。未熟練者の活用と育成を両立するには、仕事の範囲を絞ることが有効だ。その具体的な手法としてウッドシップ(東京都小平市)の取り組みを紹介する。
社員10名程度の中小工務店において、自前でキャリア10年の社員を育て、さらにその頭数を揃えることは非常に難しい。育成期間を確保する余裕がないからだ。そのため新卒者や未経験者の採用は難しく、採用は経験者が主体となる。一方、即戦力となる中堅どころの経験者は前職で覚えた仕事のやり方が染み付いていて、それを変えられない。中長期的に見るとベストな人材ではないことが少なくない。
育成の大前提は仕事の範囲を狭めること
こうした状況下で即戦力化と育成をいかに両立するか。その具体的な手法が仕事の範囲を狭めた上で、経験年数の浅い若手を採用し、設計と施工管理を一気通貫で担当させること。
同社の場合、仕事の対象を東京・小平市にある本社から30分圏内の新築住宅に絞っている。
この商圏は狭小敷地がほとんど。法規や予算の制約をふまえると建物の大きさやプランはほぼ決まる。さらに・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー12月号(2023年11月30日発行)社員の多能化で生き残る! 育てる人事[超]実用セオリー』(P.20〜)でご覧ください。
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