連合は12月1日、千葉県浦安市で中央委員会を開き、2024年春闘方針を正式決定した。定期昇給分を含めた賃上げの要求水準は「5%以上」とし、23年の「5%程度」から表現を強めた。物価高の長期化で実質賃金は前年割れが続いており、生活水準を向上させるため一段の賃上げを目指す。
2%の定期昇給を前提に、基本給を底上げするベースアップ(ベア)は「3%以上」(前年は3%程度)を求めると決めた。ベア要求は11年連続。
芳野友子会長は冒頭のあいさつで、食品などの値上げが続いていることに触れ「物価高がすべて悪いわけではない。物価高に負けない賃上げが伴わないといけない」と言明。24年春闘は「経済の成長とともに賃金は上がり続けるということを根付かせ、次のステージへと転換する社会、経済をつくっていかなければいけない」と訴えた。
連合は24年春闘の基本構想で、物価や賃金が上がりにくいことを前提とするデフレ下の考え方や慣行が、変化しつつあると指摘。今春闘は、経済、賃金、物価が安定的に上昇する経済社会へと「ステージ転換を図る正念場だ」と強調した。
今後、連合傘下の労働組合も闘争方針を固め、来年2月以降に労使交渉が本格化する。
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