WWFジャパン(東京都港区)が11月22日に公表した「47都道府県の脱炭素化の取り組みに関する実態調査結果」によると、脱炭素化に積極的に取り組む自治体として、東京都、長野県、神奈川県、岩手県、滋賀県、京都府、大阪府、徳島県の8都府県が選出された。一方、あまり積極的ではないグループには、宮崎県、茨城県、福井県、鹿児島県、愛媛県、石川県、沖縄県、和歌山県、大分県が選ばれている。全体の傾向として大都市圏で取組みが進み、西日本で取り組みが遅れる傾向が見られた。
政府では、「2030年に温室効果ガス46%削減」の中期目標と、「2050年までに排出量ゼロ」の長期目標を掲げている。このうち中間目標については、青森県、岩手県、秋田県、東京都、富山県、長野県、鳥取県の7都県は国の目標を超える削減目標値を提示している。逆に近畿・中国地方は、国よりも低い目標を掲げる自治体が多かった。
一方、長期目標については、47都道府県中46都道府県が国と同じ目標に。残り1県である茨城県は「今は掲げていないが、今後掲げる予定がある」とした。「2050年ゼロ目標」とした理由については、「国の目標に合わせた」という消極的な回答が約6割(57.4%・27自治体)を占めている。
<※>12月1日に掲載した内容に一部誤りがありました。上位グループに埼玉県、中間グループに鳥取県を追記いたします。お詫びを申し上げます。(12月20日18時32分更新)
建築物の省エネ基準 長野などで高く設定
また省エネへの取り組みでは、住宅・建築物、工場などの省エネ基準で、国が設定している基準より厳しい基準を設定している都道府県は27.7%(13自治体)。中でも北海道、山形県、福島県、新潟県、長野県、鳥取県が高い基準での対策を講じている。
脱炭素や温室効果ガスの排出削減を推進する上での課題については、「財源確保が難しい」が76.6%(36自治体)で最多に。次いで「人的リソースが不足」(63.8%・30自治体)、「地方交付税が不十分」(46.8%・22自治体)などの回答が続いた。
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