帝国データバンク(東京都港区)は11月29日、全国「女性社長」分析調査(2023年)の結果を発表した。同社のデータベースをもとに、全国約119万社の事業会社から女性が社長(代表)を務める企業を抽出、分析したもので今回で10回目。国内企業の女性社長比率は、10月時点で前年比0.1%増の8.3%と過去最高を更新した。1990年の4.5%から緩やかに上昇しているものの、女性社長比率は依然1割を下回り低水準にとどまっている。
年齢構成比でみると、「60~64歳」(13.4%)が最も高く、僅差で「70~74歳」(13.3%)が続いた。日本全体で進行する高齢化が、女性社長の年齢構成にも表れている。60歳以上の割合は、1995年(42.6%)から17.1ポイント増の59.7%と全体の約6割を占めた。後期高齢者に該当する75歳以上は20.6%で初めて2割を上回った。男性社長も含めた全体では、60歳以上は52.5%、75歳以上は13.9%で、女性社長の高齢化が目立つ。
業種別では、「不動産」(17.3%)が他業種に大きく差をつけてトップとなった。10業種のうち7業種で全体比率の8.3%を下回っており、特に「建設」は5年連続横ばいの4.8%と低水準で推移。18年連続4%台で、27年連続で女性社長比率が最も低い。
2013年に政府が「女性管理職30%目標」を打ち出してから今年で10年だが、期限を「2020年」から「2020年代の可能な限り早期」に修正するなど進捗は芳しくない。対策として「女性版骨太の方針2023」でプライム上場企業の女性役員比率を2030年までに30%以上にするよう求めるなど、女性リーダーを増やそうという動きが強まっている。同社は、スキルアップやリーダーシップ教育、柔軟な働き方を推進する制度の拡充なども踏まえ、次世代を担う女性リーダー育成に向けた継続した支援が必要だとしている。
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