2023年度補正予算は29日夜の参院本会議で、自民、公明両党と日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決、成立した。「デフレ完全脱却」を目的とした政府の総合経済対策の裏付けとなるもので、一般会計の歳出総額は13兆1992億円に上る。財源は7割近い8兆8750億円を新規国債の発行で賄う。
歳出のうち経済対策費は13兆1272億円。このうち物価高への対応に約2.7兆円、持続的賃上げや地方の成長に約1.3兆円投じる。低所得の住民税非課税世帯を対象とする7万円の給付措置や、24年4月末まで期限延長を決めた電気やガス、ガソリン代の負担軽減策も盛り込んだ。
岸田政権での維新の政府予算賛成は初めて。同党が成功を目指す25年大阪・関西万博の関連経費が盛り込まれたことを評価した。国民も、ガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の凍結解除に向けた与党との協議が行われるのを踏まえ、賛成に回った。
岸田文雄首相は首相官邸で記者団に、維新と国民の賛成について「デフレ脱却に向けてチャンスをつかみ取らなければならないという点は理解いただけたのではないか」と語った。
採決に先立ち、参院予算委員会は締めくくり質疑を行った。首相は総合経済対策に関し、「30年ぶりの高水準と言われた今年の賃上げを来年につなげるよう努力を続ける」と述べた。立憲民主党の杉尾秀哉氏への答弁。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。