【ドバイ時事】国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が30日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開幕する。産業革命前からの気温上昇を1.5度以内に抑えるため、世界全体の再生可能エネルギーの設備容量を2030年までに3倍にする目標の合意を目指す。日本も賛同する方向で調整している。
「再エネ3倍目標」は、COP28議長国のUAEが主導。まずは12月1、2日の首脳級会合で、賛同する有志国の誓約が公表される見通しだ。その後、COP参加国全体の合意文書に反映させるための交渉に入る。9月にインドで行われた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の首脳宣言にも盛り込まれた。
国際エネルギー機関(IEA)によると、22年時点の世界の再エネ容量は約3630ギガワット。UAEはこれを気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」で掲げる1.5度目標に沿って、30年までに約3倍の1万1000ギガワット以上にする必要があると呼び掛けている。
日本のエネルギー基本計画では、30年度時点の再エネ導入量は21年度より拡大するが、3倍には達しない見込み。国土に山間部が多く、太陽光発電などの適地が限られるためだ。しかし、COPで合意すればさらなる上積みが求められる。
また、COP28では、世界全体の温室効果ガスの排出削減の進捗(しんちょく)を点検する手続き「グローバルストックテイク」を初めて実施。各国が提示する削減目標の強化を促す狙いだ。温室ガスを大量排出する化石燃料の扱いも主要議題となる。
このほか、気候変動で引き起こされる自然災害の「損失と被害」について、途上国を支援する基金の仕組みでも合意を図る。昨年のCOP27で設立が決まったもので、資金拠出の在り方で先進国と新興国の間で対立が生じる可能性がある。
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