住友林業(東京都千代田区)、東京建物(東京都中央区)、中央日本土地建物(東京都千代田区)は11月27日、米大手デベロッパーFairfield Residential Holdings LLC(フェアフィールド社、カリフォルニア州)と米ワシントンD.C.近郊で賃貸用集合住宅を共同開発すると発表した。総事業費は約213億円。2024年4月着工、2027年1月竣工予定。2026年2月以降、工事完了部分から順次賃貸を開始する。
8階建て・総戸数400戸の賃貸用集合住宅で、1~3階が鉄筋コンクリート(RC)造、4~8階が木造のハイブリッド構造を採用。木造部分は2×4材や2×6材の規格品を使用した木造枠組壁工法で、RC造の建物よりもコストと「建てるときのCO2排出量(エンボディドカーボン)」を抑制する。CO2を炭素として固定する木材を多く使用することで、経済性・環境配慮を両立し、脱炭素社会の実現に寄与するとしている。
同物件は、ワシントンD.C.中心部から約30kmのバージニア州ハーンドン市に建設。最寄り駅まで徒歩3分、ワシントンD.C.中心部まで30分でアクセス可能な交通面・生活面で利便性に優れた立地で、大規模な再開発が進む地下鉄沿線エリアで旺盛な住宅需要を取り込んでいく。
住友林業の100%子会社SFA MF Holdings、東京建物の100%子会社Tokyo Tatemono US Ltd.、中央日本土地建物の100%子会社Chuo-NittochiⅠLLCが組成したJVとフェアフィールド社が共同出資する特別目的会社(SPC)が開発主体となる。住友林業の100%子会社SFCアセットマネジメント(東京都千代田区)が、同プロジェクトの参画企業との組成に関するとりまとめ、調整を担当する。フェアフィールド社との賃貸用集合住宅開発は、住友林業は2件目、東京建物・中央日本土地建物は今回が初めて。
住友林業グループ・米3社の集合住宅の年間供給戸数は、全米で6位相当に拡大する。米国の戸建て分譲住宅に次ぐ収益源に成長している。フェアフィールド社を現地の優良パートナー企業と位置付けており、今回、海外事業の強化をめざす東京建物グループ・中央日本土地建物とともに同事業を展開する。
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