信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、7月31日付で事業を停止していたスペースクリエイティブ(兵庫県神戸市、資本金300万円)が、11月16日に神戸地裁から破産手続き開始決定を受けたことがわかった。負債額は、債権者約52人に対し約3億5280万円。
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同社は、2017年設立の建築工事業者で、主に戸建て住宅と木造アパートの建築設計、施工監理を行っていた。施工については協力業者や専属の職人に外注し、デベロッパーなど不動産事業者や建設業者からの一次下請けや個人客からの元請けで、狭小地や変形地など特殊な物件を手がけることで、小口ながらも安定した受注を確保していた。木造アパートの受注が好調だった2021年9月期には年売上高約6億4200万円を計上していた。
しかし、材料費の高騰や人員の増加により人件費が膨らんだことで赤字に陥るなど厳しい資金繰りを強いられ、2022年9月期の年売上高は約5億2400万円にとどまっていた。利幅の厚い案件を選別し、収益改善の兆しが見られていたが、ここに来て同社の関係者が交通事故により負傷。受注の確保が難しくなり、先行きの見通しが立たないことから今年7月31日に事業の継続を断念していた。
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