信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、木造建築業のダイリン(群馬県みなかみ町、資本金2050万円)が、11月9日に前橋地裁沼田支部から破産手続き開始決定を受けたことがわかった。負債は現在調査中としている。
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同社は、1940年創業、1949年に法人化された老舗の木造建築工事業者。製材業としてスタートし、1965年頃から建築工事業に参入した。住宅の新築工事、増改築工事、リフォーム工事を行い、完全自由設計で、和風住宅から洋風住宅までデザイン性の高い住宅建築のほか、古民家のリノベーションも手がけていた。
積極的な営業もあって、1998年12月期には年売上高約3億1500万円を計上していたが、過去の赤字により債務超過状態が続いていたほか、年商規模を上回る金融債務が重荷となり、厳しい資金繰りに陥っていた。過疎化が進む山間地での営業だったことに加えて、同業者との競合激化も影響し、2022年12月期の年売上高は約1億1000万円に落ち込んだ。この間、不動産賃貸収入を営業外収益で計上していたものの、得意先の撤退から賃貸料収入が大幅に減少したことや、後継者がいなかったことも重なり、事業の継続を断念した。
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