国土交通省は、子育て世帯や若い夫婦を対象にした住宅の新築支援事業に関して、災害の危険性が高いエリアでは支援を縮小する。2023年度補正予算案に計上した「子育てエコホーム支援事業」について、洪水による浸水が想定されるなど一定のリスクがある地域では、支援額を原則として半減させる。額に差をつけて、危険な地域での新築を抑制する。
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この事業は、18歳未満の子どもを持つか、夫婦のいずれかが39歳以下の世帯を対象に、省エネ性能が高い住宅を新築する場合、最大100万円を補助する制度。国交省は事業費2100億円を補正予算案に盛り込んだ。
ただし、(1)洪水や高潮により3メートル以上の浸水が想定される地域や土砂災害警戒区域などの「イエローゾーン」(2)開発行為に制限がかかる「市街化調整区域」内―のいずれにも該当するエリアでは、支援額を最大50万円に減額する。土石流や崖崩れのリスクが特に高い土砂災害特別警戒区域など「レッドゾーン」といわれる地域は、支援対象から外す。
2023年9月まで国交省が実施していた「こどもエコすまい支援事業」など同様の新築住宅補助事業では、レッドゾーンを対象外とする立地要件があったが、それ以外の地域はイエローゾーンを含めて同じ補助額が設定されていた。
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会は、こうした支援制度について「災害リスクの高いエリアへ住宅立地を誘導している」と指摘。是正を求めていた。
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