総務省が11月24日発表した10月の全国消費者物価指数(2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が106.4と、前年同月比2.9%上昇した。上昇は26カ月連続で、伸び率は前月の2.8%から拡大した。拡大は4カ月ぶり。食料が高止まりしているほか、政府による電気・ガス代の負担軽減策が縮小した影響で、エネルギー価格の下押し効果が弱まった。
エネルギーは前年同月比8.7%の低下と、前月の11.7%から下落幅が縮んだ。政府のガソリン価格高騰対策によってガソリンの上昇は抑えられた一方、電気・ガス代負担軽減のための補助額が半減したことは価格の上昇方向に働いた。
生鮮食品を除く食料は7.6%の上昇。酒税法改正によるビールの値下げなどで上昇幅は縮小したが、依然高い水準だ。
宿泊料は42.6%の上昇と、前月の17.9%から上げ幅を拡大した。観光需要の回復に加え、政府の観光需要喚起策「全国旅行支援」による補助金が、一部を除いて終了した影響も出た。
上昇率は、生活実感に近い生鮮食品を含む総合指数は猛暑で青果が値上がりし3.3%、生鮮食品とエネルギーを除く総合指数では4.0%だった。モノとサービスで分けると、モノは4.4%上昇。人件費の割合が高いサービスは2.1%と4カ月連続で2%台の伸びとなった。
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