住友林業(東京都千代田区)はこのほど、米国カリフォルニア州で10階建て木造ビルの実大振動台実験を実施し、日本の耐震基準において高い耐震性が証明されたと発表した。
米国科学財団および米国森林局が進める「NHERI TallWood Project(ナーリ トールウッド プロジェクト)」の参画企業である同社が、同プロジェクトの第2フェーズとして行ったもの。木造軸組工法の試験体建物に同社オリジナルダンパーを採用し、壁ポストテンション力を増大するなど、オリジナルのポストテンション仕様に改修。米国研究者と京都大学生存圏研究所・五十田研究室の協力のもと、耐震性能を検証した。
日本で実際に発生した地震波などを用いて計51回加振した結果、構造躯体は損傷しないまま加振終了後に復元力で直立状態に戻り、振動エネルギーの多くをダンパーが吸収できたことを確認。阪神・淡路大震災級の大地震を含む複数回の揺れに耐える高い耐震性と、ポストテンション耐震技術のレジリエンス性能を実証できたという。
同実験の第1フェーズでは、米国西海岸地域の災害レベルに基づいた3段階レベルの地震波で耐震性を検証。今回の実験では、第1フェーズで使用した米国基準最大想定地震の地震波も使用した。
同社は今後、国内外の中大規模木造建築で同技術の導入を進めていくとしている。
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