AGC(東京都千代田区)はこのほど、使用済みの太陽光パネルのカバーガラス約24トンを、原料カレット(ガラス端材)にリサイクルする実証試験に成功したと発表した。
同試験は、10月19日~22日にAGC横浜テクニカルセンターの建築用型板ガラス製造窯にて実施。太陽光パネルのカバーガラスが、特殊な加熱処理によって板ガラスに再利用可能な原料カレットになることを確認した。太陽光パネルのガラス回収には、三菱ケミカルグループの新菱(福岡県北九州市)の太陽光パネルリサイクル商業生産ラインの加熱処理技術が用いられた。
これにより、産業廃棄物の削減、珪砂やソーダ灰など天然資源由来原料の節減が可能となる。原料カレットの利用促進によって、製造工程におけるGHG排出削減に貢献するとともに、サーキュラーエコノミーを促進するとしている。
太陽光パネルの耐用年数は20~30年とされ、2030年代後半から年間数十万トンが廃棄されると予想。カバーガラスは全体の重量の約6割を占めており、産業廃棄物として埋め立て処理された場合は、深刻な環境負荷を引き起こす可能性があるとされている。
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