政府は22日公表した11月の月例経済報告で、国内景気の全体判断を「このところ一部に足踏みも見られるが、緩やかに回復している」に引き下げた。下方修正は今年1月以来10カ月ぶり。設備投資をはじめ内需が力強さに欠けることを踏まえた。
前月までは「緩やかに回復している」と判断していた。先行きについては雇用と所得環境の改善などで「緩やかな回復が続くことが期待される」とした。一方、世界的な金融引き締めや中国経済の先行き懸念、中東情勢などをリスク要因に挙げた。
個別項目では、企業による設備投資を「持ち直しに足踏みが見られる」に引き下げた。下方修正は2021年12月以来1年11カ月ぶり。企業の投資意欲は堅調なものの、物価高や海外経済の不透明感の強まりで、半導体製造装置といった機械投資などが伸び悩んでいることを考慮した。
内需の柱である個人消費については「持ち直している」との判断を維持した。外食などサービス消費でコロナ禍からの回復は続いているものの、物価高を背景に自動車など耐久財を中心に財(モノ)の消費は減少傾向となっている。
海外経済の全体判断は「一部の地域において弱さが見られるものの、持ち直している」を維持した。個別地域では、消費や生産の停滞からユーロ圏と英国をそれぞれ「弱含んでいる」に引き下げた。
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