大東建託(東京都港区)はこのほど、工学院大学(東京都新宿区)と産学連携で「CLTパネルを用いた水平構面のせん断試験に関する共同研究」を実施し、CLTを用いた床版の計算式を導くとともに、十分な強度を確認したと発表した。研究期間は7月31日~10月26日。
今回の共同研究では、CLT建築推進協議会会長で工学院大学建築学部教授の河合直人氏と、同大学建築学部学生10名の協力のもと、CLTパネル工法と2×4工法を併用した床版の強度を確認するせん断試験を実施。枠組壁工法や鉄骨造などの建築物に、CLTパネルによる高剛性高耐力の床・屋根を用いた場合の構法開発、設計法開発の共同研究を行った。
CLTパネルに横方向から力を加えるせん断試験を、枚数や位置、縦横の向きを変えて合計8回実施。これまで性能が不明だった建物性能を検証した。CLTを用いた床版の計算式を導くとともに、十分な強度と耐震性が確認できたという。
今後は2×4工法にCLTのもつ意匠性を掛け合わせた設計が可能になるため、同社は住宅・非住宅に関わらず顧客のニーズに合わせた柔軟な設計を実現。より一層CLTの普及を目指すとしている。
同社のCLT住宅は、同規模の鉄筋コンクリート造の建物と比較して、1棟あたり約274t-CO2の脱炭素効果を見込んでいる。製造時に再生可能エネルギーを使用し、CLTの木材を100%国産木材にすることで、CO2排出量削減と林業振興、地域創生に貢献するとしている。
同社は、2015年度からCLT工法普及を目指して技術開発に取り組み、2019年に国内初のCLT賃貸集合住宅の規格化・工業化に成功した。10月末時点で、5棟のCLT住宅が完成している。
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