政府・与党は21日、自治体の森林整備などに活用される「森林環境譲与税」の配分基準について、森林面積の割合を50%から60%に引き上げる方向で検討に入った。人口割合は30%から20%に引き下げる。都市部に多く配分される現行基準を見直し、山間地への配分を手厚くする。自民、公明両党の税制調査会が2024年度税制改正に向け本格的に議論する。
森林環境譲与税は、間伐など森林整備や、林業の担い手育成、木材利用の促進などを目的に2019年度に導入。2024年度からは個人住民税に1000円を上乗せして徴収する「森林環境税」が原資となり、年間譲与額は600億円を予定している。
自治体への配分額は現在、50%を私有の人工林面積、30%を人口、20%を林業就業者数とする基準で算定。政府・与党が検討する見直し案は、人工林面積を60%に引き上げ、人口と林業就業者数を20%ずつとする方向だ。森林面積の比重を高めることで山間地により多く配分されるようにし、森林整備や、花粉症対策としてのスギの伐採や植え替えを加速させる狙い。
総務省によると、2022年度は都道府県と市区町村に総額で500億円が配られた。配分額が最も多かったのは横浜市(4億400万円)。次いで、浜松市(3億2600万円)、大阪市(3億1100万円)と都市部の自治体が続いた。
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