東京カンテイ(東京都品川区)は11月21日、10月の三大都市圏・主要都市における中古マンション70㎡あたりの価格を発表した。
首都圏の中古マンション価格は、前月比0.4%減の4760万円と小幅ながら下落に転じ、前年同月の水準を下回った。東京都は6433万円(0.3%増)と2カ月連続上昇したが、事例シェア縮小に歯止めがかからない状況が全体に影響したとみられる。神奈川県は3680万円(0.2%減)、埼玉県は2996万円(0.7%減)と反転下落、千葉県は2749万円(0.8%減)と7月以降下落傾向で推移している。
都市別では、東京23区が前月比0.5%増の7132万円と2カ月連続上昇。都心6区が1.8%増の1億791万円と9カ月連続の上昇となった。一方、城南・城西エリアが横ばい、城北・城東エリアが0.1%減と都心部との差が拡大。都心部の「独り勝ち」の様相が鮮明化している。特に城北・城東エリアは前年同月比が9月以降マイナスに転じ、水面下でも価格改定シェアや値下げ率の良化の動きが鈍くなっている。横浜市(0.3%増)がわずかに上値を伸ばした一方、千葉市(0.4%減)は反転下落し8月と同程度まで水準を下げた。さいたま市(1.1%減)は平均築年数がやや進んだことも影響し、3カ月連続の下落となった。
近畿は下落傾向、中部も前年同水準まで下がる
近畿圏は前月比0.7%減の2865万円と3カ月連続で下落し、下落率も徐々に拡大。前年同月比も0.1%減と首都圏と同様マイナスに転じた。大阪府は0.4%減の3060万円と6カ月連続下落し、8月以降前年同月を下回っている。兵庫県も0.8%減の2497万円と3カ月連続でマイナスとなった。都市別では、大阪市が前月比0.3%増の3867万円と6カ月ぶりに上昇したが、前年同月比は1.5%減とマイナスが続いている。市中心部は0.6%減の5291万円と3カ月連続下落となった。神戸市(0.3%減)は3カ月連続で下落し、前年同月からの上昇率も急激に縮小しつつある。
中部圏は前月比0.2%増の2251万円と上昇。愛知県は0.1%減の2389万円と下落したが、いずれもわずかな変動にとどまり、前年同月と同水準まで下がっている。都市別では、名古屋市が前月比0.3%減の2755万円と4カ月連続で下落し、前年同月比もマイナスに転じた。高水準で推移しているものの、既にピークアウトしたものとみられる。平均築年数がやや進んだ市中心部では、1.0%減と前年同月の水準を下回った。
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