国土交通省は12月18日まで、一人親方を対象としたWEBアンケートを実施している。対象は建設業の一人親方本人。この調査は一人親方への取り組みの進捗を把握するとともに、実行性のある施策に向けた基礎資料を作成することが目的。調査依頼は、建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録している一人親方にメールで案内するほか、CCUS処遇改善推進協議会の構成団体などに協力を要請する。回答件数は2000件程度と見積もっている。
国交省では建設技能者の処遇改善や老後生活の保障のため、社会保険への加入を推進。2020年度から社会保険への加入を建設業許可・更新の要件としている。しかし、従業員の社会保険加入を逃れるために、本来雇用契約を結ぶべき技能者を一人親方として扱う「偽装請負の一人親方」が横行。この問題に対処するため、ガイドラインの改訂や一人親方を対象とした説明会を行ってきた。今回のアンケート調査もその一環で、調査結果を踏まえて「適正でない一人親方の目安」を策定することを目指している。
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設問内容は、①回答者本人について(年齢・経験年数・主な業種などの基本情報、完成工事高などの直近年度の実績)、②社会保険などへの加入状況(労災保険特別加入、CCUSの登録の有無など)、③現場の労働環境や条件(直近の現場の種類、働き方自己診断チェックリストに沿った働き方の実態の確認)、④希望する就業形態(将来的に希望する就業形態、建設企業からの雇用勧誘の有無など)、⑤一人親方に関する国の政策について(働き方自己診断チェックリスト、下請指導ガイドライン)―など。他に、国交省に求める取り組みについても尋ねる。
■参考資料(PDF)
「クリーンな雇用・クリーンな請負の建設業界~一人親方と社員の違いをご存じですか?」(働き方の自己診断チェックリスト)
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