国土交通省は11月10日に閣議決定した、子育て・若者夫婦世帯向けの新事業「質の高い住宅ストック形成に関する省エネ住宅への支援(仮称)」の名称を「子育てエコホーム支援事業」に決定し、制度の内容を公表した。新事業では、若者世帯による省エネ性能の高い新築住宅購入を支援するほか、すべての世帯が行う対象リフォーム工事を支援する。
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「子育てエコホーム支援事業」のうち新築住宅への補助事業では、子の年齢が18歳未満の子育て世帯、または39歳以下の若者夫婦世帯が取得する新築注文・分譲住宅のうち、長期優良住宅・ZEH住宅が対象。対象工事期間は、11月2日以降に基礎工事より後の工程の工事に着手するものとなっている。補助金額は、長期優良住宅は1戸につき100万円、ZEH住宅は同80万円。ただし、市街化調整区域、土砂災害警戒区域などに立地する場合は半額となる。
補助対象の要件は、①長期優良住宅、または②ZEH住宅(20%以上)、③住戸の延べ面積が50㎡以上240㎡以下(吹き抜け、バルコニーなど除く)、④土砂災害特別警戒区域または災害危険区域に原則立地しないもの(減額措置あり)、⑤届出をする事業者が都市再生特別措置法の勧告に従わなかった者でないこと。このうち①②については、登録住宅性能評価機関などの第三者機関による証明書が必要となる。
リフォームは家事軽減・防犯も対象に
リフォーム工事では、以下の対象工事で1申請当たりの合計補助金額が5万円以上のものが対象。複数の対象工事を1戸当たりの上限額まで組み合わせることができる。補助額は省エネ性能や設備の種類、面積、工事内容などにより異なる。対象製品については別途公募を行う。
【補助対象工事・設備】
①開口部の断熱改修(ガラス交換/内窓設置/外窓交換/ドア交換)
②外壁、屋根・天井または床の断熱改修
③エコ住宅設備の設置(太陽熱利用システム/節水型トイレ/高断熱浴槽/高効率給湯器/節湯水栓/蓄電池)
④家事負担の軽減に資する子育て対応改修(対面キッチン/ビルトイン食器洗機/掃除しやすいレンジフード/ビルトイン自動調理対応コンロ/浴室乾燥機/宅配ボックス)、防犯性の向上・生活騒音への配慮に資する開口部の改修工事
⑤防災性向上改修
⑥バリアフリー改修(手すりの設置/段差解消/廊下幅などの拡張/衝撃緩和畳の設置)
⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
⑧リフォーム瑕疵保険への加入
1戸当たりの補助額の上限は次の通り。
交付申請期間は新築・リフォームともに、2024年3月下旬から予算上限に達するまでで、予約申請も可能。申請は、新築注文住宅は建築事業者(工事請負業者)、新築分譲住宅は販売事業者(販売代理を含む)、リフォーム工事は工事施工業者(工事請負業者)が行う。申請者は事前に事業者登録を行う必要がある。登録期間は2023年1月中旬~遅くとも12月31日(予定)まで。ただし、「こどもエコすまい支援事業」を含む「住宅省エネ2023キャンペーン」で事業者登録した場合は、すでに登録しているとみなされ、新たな登録は不要となっている。
■子育てエコホーム支援事業の内容について(2023年11月14日時点)
※11月17日に掲載した内容に一部誤りがありました。お詫びを申し上げます。(11月21日11時33分更新)
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