不動産流通経営協会(FRK)が11月8日に公表した「第28回不動産流通業に関する消費者動向調査」によると、住宅を購入した理由について、住宅の質の面では「住宅の広さ/間取りがちょうど良かった」と答えた人の割合が最も多く、全体の8割を占めた。年代別では、30代は「住宅のデザインが気に入った」(31.9%)、60代以上は「地震・火災・水害などに対する安全性が高そうだった」(33.3%)、「バリアフリーへの対応」(20.5%)との回答が多かった。
同調査は首都圏で2022年度に住宅を購入し、引渡しを受けた世帯を対象としたもの。回答数は1063件。このうち新築住宅購入者は157件、既存住宅購入者は906件。
住宅を購入した理由のうち、意識面では「資産として家を持ちたかった」との回答が46.0%で最多。30代では「もっと広い家に住みたかった」(60.8%)が多数を占めている。資金面では「金利が低かった」(38.4%)が最も多かった。
また、住宅の購入に当たって自然災害リスクを考慮した割合が92.8%に。事前に確認したハザードマップの種類は、「水害に関するマップ」が89.9%、「地震に関するマップ」が56.3%、「液状化現象に関するマップ」が40.7%などだった。自然災害による甚大な被害が増加していることや、危険区域に立地する建物については各種補助金の対象外、または減額となる場合があることも影響していると考えられる。
住宅ローン減税の利用状況については、資金の借入れをした人のうち84.3%が「利用した」と回答。借り入れをして購入した新築住宅の性能については、戸建てでは「一般の新築住宅」が64.7%で圧倒的に多かったが、マンションでは「認定長期優良住宅」(29.1%)、「省エネ基準適合住宅」(30.2%)と、高性能の物件を選んだ人が一定程度あった。
「住宅ローン減税制度」から受けた具体的な影響については、「住宅ローンの返済計画が立てやすくなった」(45.6%)、「住宅の購入時期を早めた」(37.1%)、「自己資金を少なくできた」(24.4%)との回答が多かった。
既存住宅購入理由は「エリア」「価格」
既存住宅購入に対する意識調査では、既存住宅購入者のうち「既存住宅を中心に探した」割合は50%で、前年調査より5.7ポイント増加。購入した理由については、「希望エリアの物件だったから」(69.5%)、「手頃な価格だったから」(63.1%)、「良質な物件だったから」(42.8%)が上位3位となった。
一方、新築住宅購入者が既存住宅を購入しなかった理由については、「新築住宅の方が気持ちが良いから」(62.4%)、「長く住むつもりだから」(39.5%)、「好みに合う既存物件がなかったから」(33.1%)が上位3位となっている。
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