国土交通省は10月14日、住宅ローン減税の対象となる借入限度額を2024年以降も維持するよう与党税制調査会に求める方向で調整に入った。引き下げを予定していたが、物価高の影響に配慮する。ただ、与党税調内には慎重な意見もあり、12月中旬の税制改正大綱の取りまとめに向け焦点の一つとなりそうだ。
住宅ローン減税は22年度税制改正で、25年末まで4年間の延長が決定。年末の借入残高の0.7%を所得税などから差し引く仕組みで、適用期間は新築で最大13年間。
減税対象となる借入限度額は現行は新築の長期優良住宅で5000万円、省エネ基準適合住宅で4000万円。24年からは4500万円、3000万円にそれぞれ引き下げることとなっている。
ただ、ロシアによるウクライナ侵攻などにより経済情勢が大きく変化。資材価格の高騰などで住宅価格は高止まりしているほか、固定型の住宅ローン金利も上昇しており、業界団体からは、住宅市場への影響を懸念する声が出ている。
そこで国交省は、子育て世代らの住宅取得を後押しするためにも、借入限度額の引き下げを見送る必要があると判断。合計年間所得1000万円以下の住宅購入者を対象に厳格化する予定だった床面積の要件も、現行を維持するよう与党税調に求める。
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